良質な睡眠をとるためには、生活習慣のちょっとした工夫が必要です。
少しの工夫で睡眠の質を上げることも下げることもできてしまいます。
寝る前のお風呂は睡眠に密接に関係します。
その中でも特に気になる「寝る何時間前にお風呂に入るのが睡眠にいいのか?」を睡眠健康指導士が解説していきます。
寝る何時間前にお風呂に入るのが睡眠にいい?
「寝る何時間前にお風呂に入るのが睡眠にいいのか?」は、気になる方が多い問題だと思います。
もちろん個人差もありますので、一概には言えない部分もあります。
睡眠健康指導士では、推奨されるお風呂の時間は“寝る1~2時間前”とされています。
ただこの時間を覚えるよりも、その理由を知った方が実際の睡眠には役立つと思います。
睡眠には、ホルモン分泌なども影響しますが、体温の日内変動も影響します。
人間の体温は一日中一定ではなく、日内で変動があります。
イメージ通りだと思いますが、体温が高い場合は活動的になるので覚醒モード(起きている状態)です。
逆に体温が低い場合は睡眠のモードになります。
この体温の変動が、お風呂と睡眠には重要なキーワードです。
寝る1~2時間前にぬるめのお風呂に入るのが睡眠にいい理由
寝る1~2時間前にぬるめのお風呂に入ることを、睡眠健康指導士では推奨しています。
それは、先ほどの体温が影響します。
お風呂に浸かっていると、その温度につられて体温も上昇します。
体温が36~37℃くらいなのに対して、お風呂の温度は40℃~42℃くらいのことが多いです。
そのため、体温が上昇していきます。
これはお風呂の温度や入っている時間にもよりますが、寝る直前に体温を上昇させるのは睡眠には悪影響です。
寝る直前は体温が下がっている段階ですので、それをお風呂で上げてしまうとせっかく寝るモードになっていた身体を覚醒させてしまいます。
ただ、少し早めにお風呂に入ってその後体温が下がっていくと眠りやすい状態になります。
このお風呂上がりの体温の落差を使って身体を眠る状態に持っていけるのが、お風呂のいいところです。
つまり、睡眠の直前に体温を上げてしまうのは逆効果。
睡眠よりも少し時間をおいて、寝る時間に合わせて体温が下がっていくのは効果的ということです。
お風呂は上手く使えば睡眠を効率的に取れますが、下手に使えば逆効果と言えます。
このちょうどいいところが、「寝る1~2時間前にぬるめのお風呂に入る」と言えます。
睡眠にいいお風呂の温度
では、具体的にぬるめのお風呂に入るとは何℃くらいのことを言うのでしょうか?
睡眠健康指導士では、40℃~41℃のお風呂を推奨しています。
ややぬるめの温度というくらいです。
人によってはぬるくてお風呂に入った気がしないかもしれません。
個人的にもあまり好きな温度ではありません(笑)
ただ、あまり温度を上げすぎて体温上昇を招いてしまえば睡眠には逆効果です。
特に温泉に入った時などは、この温度を超えていることが多いと思います。
ただ、絶対にこの温度を守らないといけないかというとそうでもありません。
温度の高いお風呂に入る場合は、早めに入れば睡眠の問題はなし!
温度が高いお風呂に入る場合は、入る時間を早めれば大丈夫です。
1~2時間前ではなく、2~3時間前などお風呂に入る時間を早めれば睡眠への悪影響はありません。
先ほども解説したように寝るときに体温が上がりすぎていることが問題ですので、熱いお風呂に入る=睡眠を阻害するわけではありません。
熱いお風呂のあとは、時間をおけば体温は下がっていきますので体温が下がれば睡眠に入りやすい状態になります。
個人的には、ぬるめのお風呂に入ってから1~2時間後よりも、熱いお風呂に入ってから3~4時間後くらいの方が睡眠をとりやすいように感じます。
これは特にエビデンス(科学的根拠)があるわけではありませんので、あくまでも個人の感想です。
熱いお風呂が好きという場合は、時間を早めて寝る3時間前くらい前に入るようにしましょう。
また、目安の時間に幅があるようにあくまでも目安です。
ぬるめのお風呂に2時間前に入っても寝つきが悪ければもう少し時間を早める、あるいはもう少し温度を下げるなどの工夫をして調整してみてください。
さらに言えば、睡眠に影響するものは数多くあります。
朝に強い光を浴びなければ、夜はメラトニンというホルモンの関係上寝つきが悪くなります。
その他、食事や運動も睡眠に影響します。
また、いくら早くお風呂に入ってもお風呂から上がった後にパソコンやスマホを使ってブルーライトを浴びてしまったら元も子もありません。
しっかりとしたブルーライトカットの対策も、睡眠には必要です。
これらを総合的に改善することが、睡眠の改善には必要になります。
またお風呂だけでなく夕食時間も睡眠に影響します。
お風呂も夕食時間も工夫することで、睡眠の質を上げることができます!
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