睡眠の改善に必須なトリプトファンとは?

睡眠の改善には、様々な要素が必要です。

睡眠環境の改善、睡眠の絶対的な時間の改善、睡眠前の光の調整、ブルーライトカットなどなど分野も様々な内容が含まれます。

 

その中で、栄養面での改善も睡眠には必要になります。

その栄養面で重要となるのが「トリプトファン」です。

 

トリプトファンの摂取が出来なければ、先ほどの努力も無駄になると言っても過言ではないほど重要なものになります。

そんなトリプトファンについて解説していきます。

 

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トリプトファンとは?

トリプトファンとは、必須アミノ酸の1つです。

 

必須アミノ酸とは、人間の体内では十分な量が合成できず食事から摂取する必要があるアミノ酸です。

アミノ酸はタンパク質を構成するものですが、タンパク質は3大栄養素の1つです。

 

3大栄養素の1つであり、また体内で作れない必須アミノ酸ということでとにかく身体に必要な栄養素であることには間違いありません。

 

トリプトファンが睡眠の改善に必要な理由

そのトリプトファンが睡眠の改善に必要な理由が、メラトニンという睡眠を司るホルモンです。

人間の睡眠は、このメラトニンの分泌量によってコントロールされています。

メラトニンの分泌が多いときに眠くなり、メラトニンの分泌が少ないと眠くなりにくい状態です。

 

このメラトニンは体内で形を変えて生成されます。

その最初の段階が、トリプトファンです。

 

食事からトリプトファンを摂取し、そのトリプトファンがセロトニンという物質になり、最終的にメラトニンになります。

 

つまり、トリプトファンは睡眠を司るメラトニンの材料といえます。

 

そのため、いくら睡眠に大切な取り組みを色々とやっていてもそもそもトリプトファンの摂取がなければその効果も半減します。

 

また、トリプトファンとメラトニンの間であるセロトニンには運動も関わります。

 

そのため、睡眠を改善するためにはトリプトファン(栄養)・セロトニン(運動)の改善も必要ですので、改めてトータルで改善する必要性が分かります。

 

トリプトファンの必要摂取量

トリプトファンが重要ということがわかると、気になるのはどれくらいトリプトファンを摂取すればいいのか?です。

 

トリプトファンの摂取量は体重によって異なります。

 

一般的なトリプトファンの摂取量としては、次のような公式でもとめられます。

 

「体重1キロあたり2㎎」

 

例えば体重が50キロであれば、50×2㎎=100㎎となります。

体重が70キロなら70×2㎎=140㎎となります。

 

トリプトファンは睡眠に関わりますので、睡眠障害者の場合はさらに多くのトリプトファン摂取が必要と言われています。

 

また、トリプトファンとメラトニンの中間であるセロトニンはうつの抑制にも効果があります。

そのため、うつ病患者も同じようにトリプトファンの必要量が多くなると言われています。

 

トリプトファンが多く含まれる食品

では、そのトリプトファンはどのような食品に多く含まれているのでしょうか?

 

トリプトファンはタンパク質の一種ですので、タンパク質の多く含まれる食品にトリプトファンが多く含まれます。

 

たんぱく質の多い食品は、肉類、魚、大豆、卵などです。

 

特にトリプトファンが多い食品としては、次のようなものがあります。

 

米(100gあたり35mg)

うどん(100gあたり70mg)

大豆(100gあたり520㎎)

まぐろ赤身(100gあたり300㎎)

いわし(100gあたり220㎎)

豚ロース(100g230㎎)

牛ひき肉(100g250㎎)

鶏卵(100g180㎎)

牛乳(100g40㎎)

 

これらがトリプトファンの多い食事ですが、見ての通り計算が大変です。

トリプトファンの摂取量が足りているかどうかを考えるとなかなか難しいですので、もっと分かりやすくする方法があります。

 

トリプトファンの摂取量よりもタンパク質の摂取量に気を付ける!

トリプトファンの摂取量も大切ですが、睡眠だけに関わらず健康的な食生活と考えればたんぱく質の摂取量も気を付ける必要があります。

 

たんぱく質は3大栄養素と呼ばれ、筋肉や血液などの身体を作る材料になります。

 

たんぱく質の1日の摂取量の目安は、次のような計算でもとめられます。

 

「体重1キロあたり1g」

体重50キロの場合は50g、体重70キロの場合は70gです。

 

ただ、スポーツをしていて身体を鍛えている場合は、体重1キロあたり1.5g、2gとも言われます。

 

このたんぱく質の摂取量を意識していれば、トリプトファンの摂取量を下回るということはまずないと考えていいと思います。

 

たんぱく質の中身にもよりますが、肉類や魚、卵などを摂取して主食のコメや麺類などもあればおおよそトリプトファンが不足することはありません。

 

たんぱく質の摂取量としては、ご飯杯で4g、肉100gで20g、魚も100gで20g、卵1つで6g、納豆1パックで6gくらいの目安になります。

 

1日3食で副菜(おかず)がしっかりあれば、ほぼ足りると思います。

 

トリプトファンの摂取量を考えるよりも、たんぱく質の摂取量を考えた方が楽ですし健康的な食生活にもなります。

 

睡眠と合わせて栄養面の改善もできますので、たんぱく質の摂取量を意識した食生活をお勧めします!

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

睡眠健康指導士上級、睡眠検定2級。
自分の睡眠障害を対処しつつ、睡眠情報を発信中。

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