睡眠障害の中でも特に有名なのが、「睡眠時無呼吸症候群」です。
睡眠時無呼吸症候群は、多くの人がかかっていると推測されています。
いびきがひどいなどの症状で、軽い症状に思われがちですが、場合によっては命に関わる病気です。
ひどい場合は、罹患している本人だけでなく周りを巻き込む事故に発展する可能性もあります。
こちらでは、そんな睡眠時無呼吸症候群について解説していきます。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群とは、激しいいびきと睡眠中の頻回の呼吸停止、呼吸再開に伴う覚醒を繰り返す疾患です。
このような症状があると、深い睡眠をとることができずに日中に過度の眠気が起こります。
この睡眠時無呼吸症候群が有名になったのが、2003年に岡山駅をオーバーランした山陽新幹線の運転士が睡眠時無呼吸症候群であったことがマスコミで取り上げられたことが始まりと言われています。
その後2005年に福知山線の脱線事故が起こった際にも、運転士が睡眠時無呼吸症候群であったことがわかりより対策が強化されるようになりました。
運転などの業務がある人が、日中に強い眠気を起こせば事故の可能性が非常に高くなります。
その後も夜行バスの事故や電車のオーバーランなどで度々この睡眠時無呼吸症候群は取り上げられています。
睡眠時無呼吸症候群は中年男性に非常に多いイメージだと思いますが、日中の眠気を伴う睡眠時無呼吸症候群の割合は成人男性で4%、女性で2%と言われています。
ただ、受診している人数も少ないことから、日本における睡眠時無呼吸症候群の推定患者数は200万人以上と言われています。(睡眠検定ハンドブックより)
この潜在的患者数が多いのが問題で、睡眠時無呼吸症候群の潜在患者が交通事故・医療事故などの重大な事故を引き起こしている可能性も高いと考えられます。
睡眠時無呼吸症候群の略称は英語でSAS(サス)
睡眠時無呼吸症候群は、漢字の羅列で非常に長い病名です。
そのため、略して使わることも多いです。
睡眠時無呼吸症候群の略称は英語でSAS(Sleep Apmea Syndrome)と呼ばれます。
カタカナ表記で「サス」と呼ばれることもありますが、多くは睡眠時無呼吸症候群かSASです。
これだけ長い名前ですが、睡眠時無呼吸症候群と表記されることの方が多いように感じます。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状としては、「いびき」が最も分かりやすい症状です。
かなり強いいびきで、家族など同居している人にはかなり迷惑なレベルのいびきを伴います。
いびきは音がかなり間抜けな音なので、軽く見られがちですが病気のサインです。
いびきと呼吸努力の相関関係が指摘され、いびきをしている=睡眠時の呼吸が大変ということです。
つまり、中途覚醒などが起こり深い睡眠を得られにくいということです。
強いいびきを伴いながら、一時的に呼吸停止も伴うのが睡眠時無呼吸症候群です。
呼吸をするための気道が狭くなると、呼吸努力がより必要になりいびきが出ます。
さらにひどくなると、呼吸停止を伴います。
これが、睡眠時無呼吸症候群です。
ただ、「いびき」と「呼吸停止」は睡眠時無呼吸症候群の症状の1つに過ぎません。
睡眠時無呼吸症候群の症状はいびきや呼吸停止に伴って、より深刻な症状を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群の症状には、次のようなものがあります。
・朝の頭痛
・日中の耐え難い眠気
・集中力低下
・記憶力低下
・起床時の疲労感
・口腔内の乾燥(ドライマウス)
・夜間頻尿
・ED(勃起障害)
・生活習慣病(高血圧、脳卒中、糖尿病)
日中の眠気だけでなく、生活習慣病などにもつながります。
睡眠時無呼吸症候群の患者は、その他の患者に比べて糖尿病が1.5倍、高血圧が2倍、心疾患が3倍、脳血管障害が4倍かかりやすいと言われています。
このような合併症こそ、睡眠時無呼吸症候群の症状で最も注意が必要なものです。
睡眠時無呼吸症候群の対策方法
睡眠時無呼吸症候群の対策方法としては、専門医の受診が必要です。
睡眠時無呼吸症候群は気道が狭いことで起こります。
他の睡眠障害はある程度日々の生活習慣の改善で変化が出ます。
ただ、睡眠時無呼吸症候群の場合はそれだけでは改善が難しいことが多いです。
睡眠時無呼吸症候群には、特殊な治療方法が必要になります。
その1つがシーパップ(CPAP)です。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法シーパップ(CPAP)とは?
シーパップとは、睡眠時無呼吸症候群の治療で用いられる方法です。
これは専門医のみでできる治療方法です。
シーパップは、マスクを付けて酸素を送り込んで行う治療方法です。
機械の値段も高いですが、睡眠時無呼吸症候群の治療方法としては一番確実な方法です。
軽症の睡眠時無呼吸症候群であれば、ナステントという鼻につける市販のグッズが使えます。
ナステントは現在、誤飲事故があり販売が停止されています。
ナステントの販売再開については、目途は立っているものの一度専門医の受診をしないと購入できないようになりました。
コメント