コルチゾールとは?睡眠に関わるホルモン解説

睡眠に関わるホルモンはいくつかあります。

ホルモン分泌によって睡眠をコントロールしているとも言えますので、ホルモン分泌が乱れれば睡眠も乱れます。

 

その中で睡眠からの覚醒に非常に重要なホルモンが、コルチゾールというホルモンです。

 

コルチゾールはストレス指数を計る指標としてよく使われますので、あまり睡眠に関わるホルモンというイメージはないと思います。

 

しかし、睡眠からの覚醒を考える上でコルチゾールの働きは欠かせません。

 

多くの睡眠不足の方は目覚まし時計やアラームで起きることが多いと思います。

しかし睡眠の本来の機能としてはコルチゾールが分泌して目覚めるのが理想と言えますので、コルチゾールは天然の目覚まし時計とも言えるかもしれません。

 

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コルチゾールとは?

コルチゾールとは、ホルモンの1つです。

副腎皮質から分泌されるホルモンで、血糖値の上昇など抗炎症作用を持ちます。

 

コルチゾールについては、ウィキペディアでこのように解説されています。

 

コルチゾール(Cortisol)は、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種であり、ヒドロコルチゾン (hydrocortisone) とも呼ばれる。炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンである。3種の糖質コルチコイドの中で最も生体内量が多く、糖質コルチコイド活性の約95%はこれによる。ストレスによっても発散される。分泌される量によっては、血圧や血糖レベルを高め、免疫機能の低下や不妊をもたらす。

 

また、このホルモンは、過剰なストレスにより多量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させることが、近年PTSD患者の脳のMRIなどを例として観察されている[1]。海馬は記憶形態に深く関わり、これらの患者の生化学的後遺症のひとつとされている。

 

コルチゾール - Wikipedia

ウィキペディアより抜粋

 

これだけ読むと、「コルチゾールは身体に悪いもの」というイメージになりがちです。

確かに過度にコルチゾールが分泌している状態は、ストレス指数も高く決していい状態ではありません。

 

また、炎症があると分泌が増えますので怪我をしていたり痛みを抱えていたりすると多く分泌されます。

 

ただ、当然無駄なものではありません。

コルチゾールにはしっかりとした役割があります。

 

睡眠におけるコルチゾールの役割

コルチゾールの役割は、主にこのような役割があります。

 

・血糖値の維持

・免疫応答(炎症を抑える)

 

また、コルチゾールが過度に働くと次のような問題が起こります。

 

・高血糖

・免疫力低下

・筋肉の分解促進(筋力低下)

・骨粗鬆症

・不眠

・記憶力低下

 

コルチゾールが少なすぎると、次のような問題があります。

 

・低血糖

・治癒の遅延

・無気力

・不安増大

 

ホルモンは多すぎでも少なすぎでも問題があります。

特に現代ではストレス指数の高い生活を強いられている人が多く、コルチゾールは過剰になっている人が多いと言えます。

 

そのコルチゾールは、睡眠において非常に重要な役割を担っています。

 

コルチゾールは1日の中で分泌量が変化しています。

 

コルチゾールの分泌が最少となるのが睡眠の開始時点です。

逆にコルチゾールの分泌量が最大となるのが、起床時です。

 

夜眠りについた時には分泌量が少なかったコルチゾールが、少しずつ分泌量を増やしていき起床時に最大になります。

 

コルチゾールの役割にあったように、コルチゾールの分泌が増えれば血糖値が上昇して身体は活動しやすい状態になります。

 

つまり、コルチゾールの分泌によって身体は起床できる状態となります。

 

このコルチゾールの分泌は、睡眠を促すホルモンであるメラトニンと反します。

メラトニンの分泌が最大になるのは入眠時、つまり寝る前です。

 

逆にメラトニンの分泌が最小になるのが、起床時です。

朝起きてから少しずつメラトニンの分泌が増えていき、夜の寝るときに分泌が最大になります。

 

このコルチゾールとメラトニンの拮抗関係で、睡眠を司っているとも言えます。

このコルチゾールの役割を考えると、目覚まし時計で起きることがいかに危険か分かります。

 

コルチゾールの働きで目覚めるのが理想の睡眠

通常の自然な睡眠では、メラトニンの分泌によって自然な眠気が起こりコルチゾールの分泌によって自然と目が覚めます。

 

当然と言えば当然ですが、睡眠には眠りにつく機能と眠りを覚ます機能が備わっています。

 

この睡眠の自然な機能を無視したものが、目覚まし時計です。

 

目覚まし時計はコルチゾールの分泌が不十分な状態、つまり身体がまだ起きる準備が整っていない状態で目を覚まします。

 

血糖値の上昇もなく身体が起きる準備ができていませんので、突然大きな音で目覚めるので突然血圧が上昇し一気に身体が目覚めさせます。

 

目覚まし時計は大きな音で大きなストレスをかけ、身体に大きな負担をかけて起きるものです。

 

例えるならば、睡眠中に大きな地震が起きて叩き起こされる状態です。

ただ、本当に大きな地震であればすぐに逃げないと命に関わりますので一気に血圧を上げて逃げられる準備が必要です。

 

いわば緊急手段ですが、これは生物として当然の機能で身の危険が迫ったら身体に負担をかけてでも起きる必要があります。

 

ただ、これが毎日続いたら身体には非常に大きな負担です。

1年に1回緊急のトラブルで叩き起こされるくらいなら大丈夫でしょうが、毎日目覚まし時計で起きるということは毎日緊急事態ということです。

 

急に心拍数を上げて血糖値を上昇させるので、心臓などの循環器系への負担は強いと思います。

また大きなストレスもかかるので、様々な健康被害に繋がると思います。

 

これは実験結果などがないです(というよりも人道的な方法ではできない)が、目覚まし時計で起きることによって心臓系の病気、もっと言えば突然死などの可能性も上げるのではないかと考えられます。

 

また、コルチゾールの分泌によって自然に目覚めていないのでほぼ間違いなく睡眠不足と言えます。

 

睡眠が十分になれば、コルチゾールの分泌によって目覚めるはずです。

単純に睡眠不足であれば、脳の機能低下によって様々な問題が起こります。

 

睡眠不足の影響とは?

 

目覚まし時計で起きるのは身体に悪いですし、目覚まし時計で起きる=睡眠不足の証拠とも言えます。

 

ただ、明日から目覚まし時計で起きるのをやめましょうというと仕事や学校へ遅刻する羽目になりますのでそうもいきません。

 

それでも目覚まし時計で起きないと遅刻してしまう=自分は睡眠不足であるという認識を持つことが必要です。

 

目覚まし時計がないと起きられないという場合は、コルチゾールの働きを考えれば睡眠の改善が間違いなく必要な状態と言えます。

 

どうしても目覚まし時計が必要という人には、大音量の目覚まし時計ではなく光目覚まし時計がおすすめです。

 

ブライトライトME+のように強い光を出すものや、通常の目覚まし時計の機能もある光目覚まし時計「エナジーライトinti」などがあります。

 

大音量の目覚まし時計をずっと使っているという人は、まずは光目覚まし時計「エナジーライトinti」が安心して使えると思います。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

睡眠健康指導士上級、睡眠検定2級。
自分の睡眠障害を対処しつつ、睡眠情報を発信中。

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