認知症は少子高齢化社会の中で、避けては通れない問題です。
その認知症の対策として「昼寝」が注目されています。
昼寝を効果的に取り入れることで認知症の予防になりますが、昼寝がかえって認知症を増やす逆効果になる場合もあります。
こちらでは、認知症と昼寝の関係について解説していきます。
認知症の対策には昼寝が有効
認知症の予防に関しては様々な取り組みがなされていますが、特効薬のようなものはまだありません。
しかし、超高齢化社会へ進む中で認知症の予防は急務と言えます。
そんな認知症の予防で注目されるのが、昼寝です。
2000年に日本の国立精神神経センターで行われた昼寝と認知症の研究で、注目されるデータがあります。
昼寝と認知症の関係を調べると、次のような関係があると言われています。
昼寝の習慣が1日30分~60分…認知症のリスク0.4倍
昼寝の習慣が1日30分以内…認知症のリスク0.2倍
昼寝の習慣が1日1時間以上…認知症のリスク2倍
昼寝の習慣がない人に比べ、1日30分から60分昼寝をする人は認知症のリスクが半分以下になります。
さらに、30分以内であれば5分の1とかなり低くなることがわかります。
ただ、長い昼寝が逆効果になることも示唆されています。
おそらくは30分~60分の場合は、少し長いので30分以内の人よりも効果が低いと考えられます。
実際に睡眠障害対処12の指針で示されている昼寝の推奨時間は15分~20分です。
睡眠障害対処12の指針⑦昼寝をするなら15時前の15分~20分
長すぎる昼寝は認知のリスクを増大させる
このように、昼寝は長すぎるとかえって認知症のリスクを増大させると言えます。
これは昼寝に限ったことではありません。
夜の睡眠でも、長すぎるとかえって寿命が短くなるなどの悪影響があります。
適切な睡眠時間は寿命が長く、病気のリスクも減ります。
これと同じように昼寝でも適切な長さの昼寝は効果がありますが、長すぎると逆効果になります。
現代の日本では、睡眠時間が長すぎるよりも短すぎるリスクのほうが圧倒的に高いです。
それは厚生労働省の睡眠時間に関する調査結果を見ても明らかです。
ただ、高齢者の場合は睡眠時間が長すぎるリスクも抱えています。
特に夜の睡眠よりも昼寝の方が長くなりすぎてしまうリスクが高いです。
昼寝が長すぎて夜の睡眠の質が下がる、その結果昼間に眠くなりまた昼寝が長くなり夜の睡眠の質が下がる。
このような悪循環が生まれてしまうと、認知症のリスクが増大してしまいます。
これはかなり多いパターンであると推測できます。
昼寝は適度な時間であれば効果大!
昼寝は適切な時間であれば認知症のリスクを減らしてくれます。
ベストの昼寝時間であれば、実に5分の1にまで認知症のリスクを抑えてくれますので効果は絶大です。
特に特効薬がない中では、非常に効果的な認知症対策であると言えます。
ただ、長すぎる昼寝はかえって認知症のリスクを増大させます。
昼寝の目安は睡眠障害対処12の指針でもあるように「15分~20分」です。
この目安を守って昼寝をすることが、認知症のリスクを下げる大きな効果を発揮します。
また、若い人でも頭がすっきりして午後の仕事もはかどりますので、昼寝はおすすめです!
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