適正な睡眠時間とは?理想の睡眠時間を知る

睡眠に関する質問で最も多いものが、「結局何時間寝ればいいの?」というものです。

適正な睡眠時間、理想的な睡眠時間については様々な研究やデータがあります。

 

個人差があるというのは間違いありませんが、そこまで大きな個人差はないのではと思っています。

 

日本人はかなりの確率で睡眠不足に陥っています。

適正な睡眠時間を知り、少しずつその睡眠時間に近づけていくことが、健康への第一歩です。

 

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適正な睡眠時間とは?

適正な睡眠時間とは、人によって異なるものです。

厚生労働省が発表している「睡眠障害対処12の指針」では、睡眠時間は人それぞれなので、そこまでこだわる必要はないとしています。

 

ただ、ある程度の目安は当然あります。

個人的には、この目安から外れている人の割合は非常に少ないと考えています。

 

適正な睡眠時間を下回っている場合、ショートスリーパーだから大丈夫という確率よりも、ただの睡眠不足である確率の方が圧倒的に高いと言えます。

 

その為、適正な睡眠時間の目安を下回っている場合は、睡眠不足と考えた方が賢明です。

 

適正な睡眠時間の目安

それでは、適正な睡眠時間の目安をご紹介します。

 

睡眠健康指導士では、このように睡眠時間の目安をご紹介しています。

適正な睡眠時間の目安

※睡眠検定ハンドブックより抜粋

 

この図の通り、適正な睡眠時間の目安は年齢によって変わっていきます。

基本的には加齢と共に睡眠時間は減少していきます。

 

図で示された適正な睡眠時間の目安を抜粋すると、次のようになります。

 

新生児の適正な睡眠時間の目安…約16時間

小児期の適正な睡眠時間の目安…約10~12時間

青少年期の適正な睡眠時間の目安…約8.5~10.5時間

青年期・中年期の適正な睡眠時間の目安…約7~8時間

高齢期の適正な睡眠時間の目安…約6時間

 

大人の適正な睡眠時間の目安は、約7時間~8時間と言えます。

8時間睡眠と聞くとかなり長いと感じる方もいると思いますが、この睡眠時間を下回ると身体に多くの不具合が起こることが報告されています。

 

また、中学生・高校生くらいであれば8時間半以上の睡眠時間が必要と言われています。

最近では部活動や塾で夜が遅くなり、朝も早くて睡眠時間が短い中高生が非常に多いと思います。

 

まだ身体が成長途中の中高生が睡眠不足のまま生活していると、これも健康上良くないのは明らかです。

 

さらに気になるのは、夜でもベビーカーを引いた人を見かけることが非常に多くなったように感じます。

 

もはや睡眠不足は大人だけでなく、小さい子供までを含めた日本人全体の問題と言えそうです。

 

睡眠不足はこの適正な睡眠時間の目安で考えた方がいいですが、中には当てはまらないロングスリーパー・ショートスリーパーもいますので、あくまでも目安です。

ただ、ロングスリーパー・ショートスリーパーがいることは間違いないですが、その割合もそう多くはありません。

 

また、睡眠不足を自覚するには脳の機能が正常に保たれている必要があります。

つまり、寝不足で脳の機能が低下すれば、睡眠不足を自覚することも困難になり、「寝なくて大丈夫」は全くあてにならない感覚と言えます。

 

基本的にこの適正な睡眠時間の目安を下回る睡眠時間の方は、睡眠不足と考えた方が賢明です。

 

寝すぎで身体に起こる悪影響とは?

多くの日本人が睡眠不足となっている現代では、寝すぎを気にするよりも寝なすぎを気にするべきです。

ただ、寝すぎも身体には良くないことが分かっています。

特に寝すぎに注意すべきは、高齢者です。

 

高齢者になると、睡眠時間はどんどん短くなっていき、最終的には6時間程度になります。

「若い頃のように眠れなくなった」という悩みがある高齢者は多いですが、これは人間として当然のことです。

それなのに、若い頃のように長時間眠ろうとすると、逆に身体に悪いということがあります。

 

睡眠不足の場合は、脳の機能に異常が見られますが、睡眠が過剰の場合はそのような傾向はみられません。

ただ、糖尿病のリスクや肥満のリスクが上がり、死亡のリスクが上がります。

また、過度の昼寝はアルツハイマー病のリスクも上げると言われています。

 

つまり、適正な睡眠時間とは寝不足も寝すぎも身体には良くないということを示しています。

どちらであっても健康に問題が出ますが、多くの日本人は睡眠不足です。

 

青年期から中年期であれば睡眠不足に気を付け、高齢者であれば寝すぎに気を付けるというのが正しい睡眠の改善だと思います。

 

適正な睡眠時間を確保する努力が必要

日本人はとにかく睡眠不足です。

 

厚生労働省の調査では、日本人の40%は睡眠時間が6時間以下とされています。

先ほどの適正な睡眠時間の目安と照らし合わせれば、どれだけ睡眠不足かが分かります。

 

また、40代では男女ともに睡眠時間が6時間以下の割合が約50%になります。

7~8時間睡眠時間が必要な年齢で、実に半分以上が大幅に睡眠不足ということです。

 

これでは死亡リスクの高い人、肥満や疾患のリスクの高い人、脳の機能が酔っ払いレベルまで低下した人が非常に多い国ということになります。

 

これだけ多くの日本人が睡眠不足に陥っていますので、まずは適正な睡眠時間に可能な限り近づけるという努力が必要です。

 

睡眠不足の影響の詳しい解説はこちらから

 

現在の睡眠時間が6時間であれば、「それしか時間がないから仕方がない」では仕事の効率も悪くなり、より時間が無くなります。

少しずつでも、適正な睡眠時間に近づけていくことが大事です。

 

また、「90分の倍数で寝るのが最適な睡眠時間」というのは大きな間違いです。

 

この為、6時間睡眠よりも6時間15分、6時間半睡眠の方が確実にいいです。

 

「6時間半睡眠なら6時間睡眠の方がマシ」ということはなく、睡眠の絶対的な量は他で補う方法はありません。

まずは絶対的な睡眠時間の量があっての睡眠の質の話になります。

 

忙しくてなかなか睡眠時間がとれない方でも、まずは10分・15分でも睡眠時間を延ばすことをお勧めします。

 

この記事を書いた人
中谷圭太郎

睡眠健康指導士上級、睡眠検定2級。
自分の睡眠障害を対処しつつ、睡眠情報を発信中。

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